ご挨拶

最高顧問
(矢崎総業株式会社 名誉会長)
矢﨑 裕彦
当財団は、矢崎グループの創業40周年記念事業として1982年に設立され、以来43年にわたり、研究開発の支援を通して日本の科学技術の振興に微力を尽くしてまいりました。 これもひとえに、関係当局のご指導と関係各位のご理解、ご協力の賜物と存じます。
今後も、矢崎グループの社是である「世界とともにある企業」「社会から必要とされる企業」を具現化する活動として、当財団の活動を支援していきたいと考えておりますので、引き続きご指導、ご鞭捷を賜りますようお願い申しあげます。
さて、世界の現況を見ますと、緊張した国際情勢、グローバルな政治・経済構造の変容、地球温暖化の進行、AIの進化による社会への影響など多くの不確実な要素があります。一方、国内では、甚大化する自然災害や少子高齢化という根幹の課題に一層の取り組みを図るべき状況にあります。
このような状況の中で、矢崎グループも諸策に取り組んでおりますが、その時に忘れてならないのは「人」という経営資源をいかに活用するかであります。ご承知のように日本は地下資源の乏しい資源小国でありますが、「人」という地上資源では世界に誇れる大国であります。私は、官民挙げてこれを育成、強化していくことが日本をより価値ある国へとしていくものと確信しております。
中でも、科学技術の発展を担う研究者の活動を支援していくことの重要性は、改めて申しあげるまでもありません。
独創的な研究開発に携わっていらっしゃる研究者各位が、世界をリードする成果をあげられ、日本のみならず世界の人々のくらしに貢献されますことを心より期待しております。
理事長
矢野 康治
このたび当財団の理事長を拝命致しました矢野康治です。どうぞ宜しくお願いいたします。
少々自己紹介も兼ねてご挨拶させて頂きますと、私めは高校を出るまで極端に国語が苦手で嫌い、極端に数学が得意で大好きで、野口英雄に憧れて育った田舎者です。大学進学後は、理系崩れの経済学部生として、経済学にのめり込み、アダム・スミスの完全競争社会が理想だと知り、いわゆる市場の失敗を補うべく行政府に入り、国家公務員としてマクロ経済、財政運営の効率化・健全化に明け暮れた身です。
経済・財政運営は、どうしても満足とか公平性といった主観や価値観が入ってくるため、「是非論」ではなく「否応論」になりがちで、わがままな否応論を正当化する偏屈な理論までが提唱されたりします。
翻って、自然科学は、そうではなく、何が正しいか、何がより効果的か、何がより効率的か、という客観的な純然たる評価で人類の生活を高めるものと存じ、羨ましくもあり、敬服申し上げます。
その最先端の研究について、その独創性や有意性を見極め、真に優れた研究に光を当てて引き伸ばしていくには、高度に専門的で先見性に満ちた非凡なる眼力があってこそ成し得るものと拝察いたします。
当財団では、世界の発展のために最大限貢献したいと半世紀近く頑張って参りましたし、今なおそのための自己改革にも取り組んでいるところですが、是非、関係者の皆々様の崇高な目線・視座のお導きを賜り、その志を遂げて参りたいと存じます。
何とぞ宜しくご指導を賜りますようお願い申し上げます。